公務員の仕事に役立つスキルアップ、その先にある転職や起業はどんなものがあるのか探している方も多いのではないでしょうか。
公務員は事務や内部調整に忙しく「もっとこうしたら良いのに」になかなかたどり着かないことが多いと思います。
公務員の仕事で改善を進めるためには、みんなが納得する「理由」を探さなくてはいけません。
それは住民に対して、また庁舎内の調整で説明する場面でも求められます。
経験年数や職位を越えて、説明のさいに強力な武器になるのは【数字】です。
自治体が保有している統計や事業データは、まだまだ活用されず眠ったままになっていはずです。
そうした数字を説得資料として、自分の仕事の武器にできたら何より心強く思いませんか?
公務員に役立つスキルとして、データサイエンティストについて紹介したします。
・データサイエンティストとは
・自治体にデータサイエンスが必要な理由
・自治体には宝の持ち腐れになっている統計データがたくさんある
公務員の人事は文系・理系関係のない異動や業務分担が当たり前
超重要課題!気象の変化による災害対策(気象データアナリスト)
若手公務員が職務経験年数をカバーする説得材料は数字しかない
・転職活動にも活きる!公務員の仕事でデータの活用、改善や事業実施の成果は職務経歴の実績に
・まとめ
そもそもデータサイエンスとは
データサイエンスとは、データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチのことであり、その中でデータを扱う手法である情報科学、統計学、アルゴリズムなどを横断的に扱う(一部抜粋)
データサイエンス – Wikipedia
ウィキペディア抜粋ですが、データサイエンスは社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチを統計学などの手法を使って導くことと定義されています。
しかし、データサイエンスを専門とする「データサイエンティスト」を調べていくと、民間としても人材不足という記事が多く見受けられます。
民間で人材不足の領域であれば、自治体で人材獲得は待遇の面で…難しいと想像できるのではないでしょうか。
頑張っても首長の参謀役として非常勤特別職で副業ありの条件で迎え入れたり、業務委託でお願いしない限り、正職員として人材確保は難しいことが分かります。
また補足となりますが、2022年8月5日に国立大学法人宇都宮大学がデータサイエンス経営学部の新設すると発表がありました。
本学は、新学部「データサイエンス経営学部(仮称)」(令和6年(2024年)4月開設予定)[設置構想中]について、現在、設置準備を進めております。
国立大学法人宇都宮大学公式HPより一部抜粋
データサイエンス経営学部(仮称)の設置を通じて、データサイエンス及び経営学の素養を身に付け、実践的かつ科学的なアプローチから課題を解決できる新たな経営人材の育成を目指します。
データサイエンス経営学部(仮称)は、高校で身に付けた文系・理系両方の能力を活用する学部です。文系志望者・理系志望者両方に配慮した入学試験を実施する予定です。
大学での学部新設!今後、人材育成すべき分野である証拠ですね!
自治体にデータサイエンスが必要な理由
デジタル庁の創設や、自治体DXと耳にすることが多くなり公務員の世界も紙ベースからやっとデジタルベースの仕事に軸足が移っていく気配を感じます。
しかし、自治体のDX推進、デジタル化と言っても地方自治体ではなかなか進まない印象があるのではないでしょうか。
そもそもデジタル化に詳しい人材が自治体職員にいない、業務委託で事業者と組んでも内部に理解が得られず思うような成果が出ないなど各市町や自治体でそれぞれ課題を抱えていると思います。
また、今まで自治体で対応できていなかった「デジタル化すること」もそうですが、今後は予測できない世の中であるからこそ前例のないことに取り組むことが、自治体そして公務員に多く求められることになるはずです。
前例のないことを闇雲に動くのではなく、データサイエンスをアプローチの1つとして、社会に有益な知見を見出して公益的な行政サービスに活用できたら良いですよね。
もし自分が担当者として、先輩に聞いても首長に聞いても分からないという状況だと困ることが想像できると思います。
そうしたことを回避する、自分自身の助けとなる手法を学ぶことは、結果的に公共サービスをより良くすることにつながるのではないでしょうか。
前例のない仕事は模索する分、自分への負担も大きい
上司と上手くいかないとうつや体調不良の原因に
自分を守るすべとして数字に強くなることも手段のひとつ!
自治体には宝の持ち腐れになっている統計データがたくさんある
公務員の経験があるなら、統計について思うところがあるのではないでしょうか。
国をはじめ色々な機関から依頼される「調査物」
自治体ごとに住民の方からヒアリングやアンケートしてまとめている「統計」
これはどこまで活用できているのか?
忙しく、手を付けられない!もっと時間やスキルがあれば数字にある傾向や課題を探れるのに!
活かしきれていないデータがたくさんあると気づいているはずです。
また何かに報告するためだけに数字をまとめて、そこから具体行動までつながらない、そこで職員としての仕事で満足している人も多いのではないでしょうか。
私は勝手に「数字コレクター」と呼んでいます・・・(苦笑)
世界や国レベルのビックデータを扱うことも必要かもしれませんが、目を向けるべきは、長年にわたって自治体が集めてきたデータです。
市町村など小さな単位で傾向と対策を職員自ら見出して、今までの事業の改善はもちろん前例のない業務にあたれると良いと感じます。
公務員の人事は文系、理系関係のない異動や業務分担が当たり前
公務員の人事は、入庁年数、課の在籍、職位で機械的に人事を決めていくことが多いのではないでしょうか。
もしかすると文系なのに理系の業務に、逆もしかり。職員の特性に配慮がされる人事であれば良いのですが、すべてが思い通りにならないことは明確です。
ブログ主は文系でしたが、担当業務で事業の妥当性を示すための数字を扱う場面が多くありました。
その時は、学生時代に統計学の講義を思い出しつつ本やWEBサイト、エクセルの使い方を調べては四苦八苦して取り組んだ覚えがあります。
文系だけれど数字について知識を得るだけでなく、実社会の事象を数字でとらえて、それをどうしたら行動までむすびつけるかが必要なスキルだと痛感しました。
学生時代の成績のための勉強ではなく、社会人として働く中で仕事上課題になったことを学びのテーマに、そして学んだことを仕事に活かし自分を助ける知識を得ることが必要だと思います。
社会経験を積んでからの学び直し、活きる知識を得る喜びがありますね~

超重要課題!気象の変化による災害対策(気象データアナリスト)
大雨や大雪、地震など災害が年間をとおして発生しており、頻度や被害が大きくなっている印象があります。
公務員の仕事で災害対応があります。また、未然に災害を防ぐための防災計画、その計画にもとづく事業の実施、予算の確保が土木など現場系部署の業務分担になっています。
国や地方自治体は氾濫対策として河川上流から河川改良工事を急務として取り組み、市街地では電柱・電線の地中化を進めています。
国が示した方針をもとに、計画をもつ地方自治体ですが、今後、気象に関連した地域ごとの対策はより細かな条件と照らし合わせが必要になってくると思います。
気象予報士ではなく、気象のデータにもとづいてどんな対策が考えられるか、気象データアナリストの分野を学ぶことで、災害対策について自治体職員目線で現場課題と向き合うことができるはずです。
きっと土木や農政などの現場系部署で仕事をされたり、技師として公務員をなさっていればその重要性が文面以上、自分事に感じるのではないでしょうか。
災害対応の仕事は公務員として本当に重要ですよね!

若手公務員が職務経験年数をカバーする説得材料は数字しかない
上司の説得がなかなかうまくいかない。若手公務員に必ず立ちはだかり壁のように感じると思います。
経験年数や職位、そうしたものを越えて説得する材料が【数字】だと思います。
ブログ主は公務員時代、事業担当として企画書を提出する機会が多くありました。
予算はもちろん、その背景にあるデータ収集には業務時間外のほとんどを費やしていました。ある意味、苦い経験です。
企画書をもとに稟議書を起こし上司に説明し了承を取り付けるなかで何度か数字のデータで納得してもらえた経験もあります。
根気強く調べることが説得材料集めとして大切かもしれませんが、もっと手法を勉強していれば効率的に、また数字から見える動向・課題、どうすればよいかを的確に企画書にできたのではと感じます。
一番良いのは大学生からこうしたデータサイエンスの分野を聞きかじることですが、知識としての理解と社会に出てから実課題に直面してデータをどう扱うかという視点のあるなしは、学びの深さが違うずです。
20代・30代でデータサイエンス領域を学んでおけば、40代近く主査や係長以上になって予算や事業化の旗振り役になったとき威力を発揮するスキルだと思います。
数字を見て、行動できる公務員は少数派!
私だったらそんなご上司のもとで係員がしたい!
後輩にそのスキルの重要性が広がるとなお良し◎
転職活動にも活きる!公務員の仕事でデータの活用、改善や事業実施の成果は職務経歴の実績に
公務員は年齢が上がると転職しにくい職種と見聞きすることが多いのではないでしょうか。
職務経歴書に書けるスキルは「〇〇検定1級」など資格試験の実績だけではありません。
公務員としてどんな担当部署で、どれくらいの責任ある仕事で、どんな成果を出したか。
転職では成果の部分の実績値と、それを達成するためにどんな取り組みをしたかが重要視されます。
公務員として数字を分析したうえで事業立案、予算化、事業実施、途中で異動したとしても事業成果が初動より好成績であれば準備の段取りが良かったことの証明になります。
もちろん事業が運営段階になるまで担当として仕事ができたのであれば、事業の成果は担当者の実績であるはずです。
そうした成果の背景にデータサイエンスの知見を活かしたことを職務経歴書に記載出来れば、企業側が自社で採用した場合どんなビジネスパフォーマンスをしてくれるか想像しやすくなるのではないでしょうか。
そもそもデータサイエンティストが世の中にまだ人材として希少なので、スキルを得て公務員として働き、成果を出しているのであれば年齢関係なく転職の選択肢が広がると思います。
ブログ主も転職活動の時は公務員時代の事業実績を数字で書きました!
↓経産省のスキルアップや厚生労働省の職業訓練の給付対象講座

まとめ
公務員のスキルアップにつながる学びの領域は沢山あると思います。
データサイエンスは行政分野でも必要なスキルであると同時に、民間企業においても求められる人材です。
行政の仕事でデータサイエンスの知見を活かして成果を出し、公益事業の推進、また転職の選択肢を広げるためにも学びの価値があるはずです。
今はSNSはじめ、ネットで説明会に参加出来たり、資料など判断する材料を簡単に集めることができるので、まずは情報収集を。そして必要と思えばプライベートな時間を使って学んでみても良いと思います。
受講にあたっては国の給付やご自身が働いている自治体独自でスキルアップの支援制度があるはずなので、活用してみはいかがでしょうか。

→公務員で活きるスキル、国内旅行業務取扱管理者(観光系特化)

