公務員として働いていると、努力して頑張っているけれど給料が少ない、人事評価に反映されない、そんな思いを経験するのではないでしょうか。
段々と管理職に昇進し、部下を持つ立場になれば「やりがい搾取の何が悪い?」というような意見にもなるかもしれません。
この記事では若手公務員の視点で、職場で感じやすい「やりがい搾取」、その原因と、ブログ主がチャレンジしてみた対策事例を紹介します。
●公務員が仕事でやりがい搾取を感じやすい原因
・残業や休日出勤が多い
・災害対応は24時間年中無休で気が休まらない
・年功序列の給与体系
・曖昧な人事評価
・希望の人事が叶わない
●公務員のやりがい搾取対策(若手公務員の自己防衛)
・地域を良くする関りを仕事だけにする
・上司の許可の範疇でしっかりと残業代を付ける
・職場の付き合いを最低限にする
・スキルアップ1→数字に強くなる
・スキルアップ2→wordやパワーポイントでできるデザイン手法を学ぶ
・職位以上の仕事を任されそうになったら業務の采配変更を促す

公務員が仕事でやりがい搾取を感じやすい原因
公務員はなぜやりがい搾取を感じやすいのか。民間企業と違い「公共」を担う仕事であることがポイントです。
・残業や休日出勤が多い
・災害対応は24時間年中無休で気が休まらない
・年功序列の給与体系
・曖昧な人事評価
・希望の人事が叶わない
福利厚生の制度が充実している公務員ですが、その制度をしっかり利用できるかは自治体によって状況が異なります。
財政的にも人員的にも余裕があり有休休暇も取りやすい環境もあれば、自治体によってはどの部署に配属されても兼務かつ業務量が多くサービス残業が当たり前になっていることも少なくありません。
また、公務員は災害対応の業務があるため、旅行先や昼夜問わず招集がかかれば仕事になります。
こうした気の休まらない状況がストレスに感じ、給与と見合わない状況と相まって「やりがい搾取」を感じてしまうのだと思います。
給与は年功序列、人事評価はあるものの、基準が曖昧なことや、人間関係を配慮して査定を一律にすることも少なくありません。
頑張って評価される点があったとしても公務員だからこそ「公定性」という魔法の言葉で片付けられてしまうことが何とも悔しい気持ちにさせられます。
また、公務員の人事は基本希望が叶わないと良く言われています。
自分がどんな働き方をしたいか、キャリアアップはもちろん、趣味に時間を使いたいなどそれぞれの希望があるはずです。
仕事なので配属された先で仕事を粛々とこなすことはとても大切です。それと一緒に組織として個人の自己成長につながる場所を作ることも必要と思いますが、そうした配慮が無い自治体が多いと感じます。
仕事を通じて、組織に貢献しても返ってくるものも無ければ響くこともない状況。心理的に辛いものです。
期待するなと言われればそれまでですが、公のために頑張ることを望まれても、見える形で何かが返ってこないと続かないのが人間と思います。
公務員は頑張れば頑張るほど、自分自身が「やりがい搾取」の環境を作り出しているようにも感じます。
そこで何かを諦めては、公務員として住民の方に申し訳ない気持ちも抱くことは必然です。
では、「やりがい搾取」から自分を守るために何ができるか、上手く自分を守れなかったことの方が多くですが、実際やってみたことを次にご紹介したいと思います。
公務員のやりがい搾取対策(若手公務員の自己防衛)
ブログ主が公務員時代、やりがいある仕事として頑張ろうという気持ちと報われなと思う気持ちのせめぎあいに悩みました。
悩みが行き過ぎると、うつなど心の不調の原因になると思います。
やりがい搾取に限らず、公務員の仕事は特殊な労働環境なので体の不調につながらないよう自分自身を守ることが大切です。
ここからはブログ主が実際に若手公務員時代にやってみた【やりがい搾取対策】の実例紹介です。
地域を良くする関りを仕事だけにする
公務員だからこそ、仕事もプライベートも垣根を越えて地域に寄り添った仕事や暮らし方が大切と思います。
地域の人に行政の人間としてどんな考えで仕事をしているか、認知してもらえるかは地域と関わる行政職員であるからこそ重要です。
しかし、あまりにも自分の時間を地域を良くするためと思って行動しているといつしかそれがストレスに変る時があります。
そうした頑張る時期もあって良いと思いますが、どれぐらいが自分にとって適切か見極めることも重要です。
段々と地域のことが分かってくると、「この会は参加する、このイベントは行かなくてもOK」など取捨選択が出来るようになります。
地域活動を頑張る時期=地域の人に顔を覚えてもらう時期!
行政職員1・2年目は地域活動しっかりやってみて、3年目くらいからイベントや地域の会の参加はしぼれるようになりました(学び)
現在会社員として、地域との関りは仕事のみに絞っていて、プライベートな時間を大切にしています!
上司の許可の範疇でしっかりと残業代を付ける
公務員として働いていると残業を付けると申し訳ない気持ちになりがちです。
まずは定時で上がる努力をしたうえで、激務の場合は上司の指示があった場合は残業を付けてしっかり仕事に取り組むべきと思います。
公務員だからこそ、サービス残業すべき。のような認識で働く先輩も多くいました。そしてブログ主も最初は同じ考えでした。
ですが、どんなに頑張っても自分の時間が削られる日々はメンタルにも良くありません。
若いからこそ、体力も気力もあるので頑張れてしまいます。でも、それこそやりがい搾取のループに自ら陥る原因でもあります。
上司の指示のある範囲でしっかりと残業代を付け、そして目標は定時で仕事を終えることが大切だと思います。
上司の指示なしで残業を付けると総務の偉い人からお呼び出しが来ますよ~~!
勝手に残業代付けるのはNG!!
職場の付き合いを最低限にする
職場で仕事以外のコミュニケーションはとても大切です。でも、それは本当に必要な時間なのか、考えた方が良いかもしれません。
ブログ主も、先輩に誘われ食事会に参加することが良くありました。
しかし、メンバーによっては愚痴会や欠席裁判になることも多く心理的負担となっていました。
激務部署に異動になってから、課の飲み会のみに参加し、食事会は断るようにしました。
断ることはとても勇気がいることで、初めは怖い気持ちもありました。
ですが先輩がむしろ「忙しい部署だもんね」と、断っても案外許されてしまうことが驚きでした。
公務員として働くからこそ付き合いも大切ですが、顔を出すコミュニティーは絞って、自分自身の時間を無駄にしない判断基準を持って人間関係づくりをすることが必要だと思います。
自分の成長や、尊敬できる人との輪は大切ですよね!NO時間搾取!!

スキルアップ1→数字に強くなる
やりがい搾取の原因の一つが、稟議をいくら回しても、企画書を作っても上司に受け入れられないことがあげられます。
地域の現状を把握し、改善のための企画を組み、予算付けするための補助金や単費確保、上司の説得。
この仕事の流れは誰しも分かっていても、人を説得するのは簡単なことではありません。
上司も同じ考え、同じビジョンを共有しているなら話は別ですが、上司ガチャとは言いませんが法律や自治体の慣例・前例主義が強い業界では難しいことに感じます。
何回やっても稟議が真っ赤になって返ってくる。
なら上司がやればいいじゃないか!どうやればいいんだ!と思う日々が続くほど、「やりがい搾取」を実感します。
ブログ主は前例のない事業担当で、職位は主事、正規職員として課内で最年少。
年齢や職位関係のなく説得できる材料は唯一「数字」でした。
とは言っても、数字で説得しようとしても全てが納得してもらえる訳ではありません。
稟議で印鑑をもらえる、企画書をあげて同意してもらえる「確率が上がる」という実感でした。
若手公務員で数字に強い、もしくは数字に意味を持たせた資料作りと提案力は武器として強いと思います。
説得力のある数字と資料が作れると上司や先輩から信頼度up!

スキルアップ2→wordやパワーポイントでできるデザイン手法を学ぶ
公務員として仕事をしていると、事業広報でチラシを自前で作ることがあります。
広報物をwordで文字だけにするよりも、色や配色、写真の配置によって受け手への理解度が格段に増します。
分かりにくい広報物を制作すると、それに対する電話や窓口問い合わせが増えることになり説明や対応に多くの時間を割くことになります。
また、稟議や上司への説明資料作りでも役立つものなので、wordやパワーポイントでできるデザイン手法を学ぶことは大切だと思います。
デザイナーさんがMacを開いて使っているイラストレーターはPCのスペックが高くないと使いずらい・・・です。
役所で良く使われる事務用のスペックが低いPCでも使えるwordやパワーポイントは使えます。
wordやパワーポイントでも十分に綺麗なチラシや資料を作ることができるので、参考になる本を1・2冊購入してできる部分を取り入れると良いと思います。
公務員の時、事業広報に関して電話問い合わせ・・・(クレームか!?)
写真と図解を入れて作られていて、毎回読むのが楽しみ!という激励の電話
こういう電話は積極的に取りたいし励みになりますね!

職位以上の仕事を任されそうになったら業務の采配変更を促す
業務が日ごろ忙しい分、新しく対応しなければならない業務を誰がやるか・・・悩ましいことばかりだと思います。
最初の頃は課長・係長が動いていたけど、いつの間にか自分が主で動いている。そんなことが日常茶飯事なのではないでしょうか。
職位以上の仕事を任せる=やりがいある仕事
とも捉えられるかもしれません。
しかし、やる意義を伝えられることなく、自分の職位にあまりにも合わない業務状況は本人のやる気と気力に頼った「やりがい搾取」の他なりません。
ブログ主もことあるごとにそんな状況を経験しました。すべて回避できたわけではありません。
ですが、そうした状況になった時は、上司へ納得いくまで質問しました。
納得しないことも多くありましたが、業務の意義を明確にして、自分の職位でできることを整理し、細かく報告・相談するようにしていました。
時に、課長・係長の立ち回りでは?という業務が誰も手を付けない状態になって、担当レベルに振られそうな場合は、業務進捗会議で首長や部長に事前に根回しして、課長・係長に業務指示してもらうようにお願いしていました。
異動したばかりや新卒でそもそも公務員としての業務が分からないまま、仕事をする状況で根回しして業務采配の変更を促すのは難しいと思います。
可能な限り、前任者や先輩など頼れる相談相手を見つけて、それは本当に自分の仕事なのか、チャレンジすべき仕事なのかを見極める情報収集も必要です。
仕事の意義を確認するのは大切(詰めすぎ注意…笑)

まとめ
公務員の職場で感じやすい「やりがい搾取」
ストレス耐性や仕事へのモチベーションによって、「やりがい」の感じ方は異なると思います。
今回の記事の主語は若手公務員で書かせていただきましたが、自分をすり減らす働き方を避けるためにスキルアップで業務効率をあげたり、信頼を得て不要な業務時間を圧縮して、定時を目指す働き方が必要なのではないでしょうか。
こんな対策方法を公務員の職場で実践したよ情報、ぜひお待ちしております!

