地域おこし協力隊は公務員なのか?
協力隊の募集や制度を調べていると疑問に思うはずです。
結論としては、雇用関係がある会計年度任用職員の身分は公務員となります。
この記事では、協力隊を募集する自治体との雇用関係による身分の違い、公務員か個人事業主かで異なる活動内容や用語について解説します。
地域おこし協力隊(会計年度任用職員・個人事業主)の条件の比較
・会計年度任用職員
・個人事業主
・服務
まとめ
地域おこし協力隊の自治体のとの雇用関係
地域おこし協力隊には身分が公務員の扱いになる人と、個人事業主になる場合があります。
着任する自治体のとの雇用関係によって、身分が変わるということになり、簡単にまとめると以下の表のように整理できます。
| 会計年度任用職員 | 個人事業主(業務委託契約) | |
| 自治体との雇用関係 | あり | なし |
| 身分 | 公務員 | 私人 |
| 服務 | あり | なし |
| 賞与 | あり(自治体によっては無し) | なし |
| 年金 | 厚生年金 | 国民年金 |
| 勤務時間・勤務地の拘束 | 指定あり | 指定なし |
| 兼業 | 可(自治体に要申請) | 可 |
参考資料:地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第4版)令和2年8月総務省地域力創造グループ地域自立応援課、非常勤職員の整理と分類について平成 30 年 12 月(全国町村会総務部法務支援室)
会計年度任用職員または個人事業主で協力隊を募集するかはそれぞれの自治体が活動内容に合わせて決めて良いことになっています。
ブログ主が協力隊採用に関わった頃に比べ、個人事業主(委託型)の募集が増えていますね!
協力隊の受け入れの身分に関する詳細は【地域おこし協力隊の受入れに関する手引き】で調べると、総務省がまとめた最新の情報を調べることができます!
用語の解説
公務員は法律に関連した用語や表現が多く、分かりにくいものも事実です。
地域おこし協力隊(会計年度任用職員・個人事業主)の条件の比較の表の中に使われているものについて解説します。
会計年度任用職員
会計年度任用職員は雇用の期間の定めのある公務員になります。
地域おこし協力隊も任期が最長3年の更新制であり、会計任用職員として年度ごとに活動期間を更新するか採用自治体と意思確認を行う必要があります。
会計年度任用職員という名称から公務員としての職位や勤務条件を想像ができると思います。
民間企業の職位で比較するとイメージは以下の表になります。
| 公務員 | 民間企業 |
| 正職員 | 正社員 |
| 会計年度任用職員(年度契約) | 契約社員(年度契約) |
| フルパート・時短パート(時給) |
会計年度任用職員は民間企業で例えると、契約社員のような立ち位置で、正職員の上司から指示を受けて仕事をする職位です。
会計年度任用職員として協力隊を募集する場合は自治体の担当課に席を置いて正職員と一緒に事業を進める協力隊活動が想定されます。
また、勤務地や勤務時間の指定も協力隊募集に記載されているものが多く、個人事業主の協力隊活動とは自由度が低くい印象です。
行政の仕事と連携が必要な募集例
・福祉課で老人の見守り事業
→福祉課の職員と連携した協力隊活動が必要
・行政施設の計画策定に関わる業務
→検討中の行政計画の業務なので課の上司の指示を受けることに加え、知りえたことを口外しない
この場合、協力隊であっても公務員としての業務を担うことから服務規程(守秘義務とか)に従う必要があるので会計年度任用職員での募集となります。
会計年度任用職員として協力隊活動できる期間は厚生年金加入!
地域おこし協力隊から公務員を目指すなら、雇用関係ありを選ぶと将来の年金にプラスに♪
個人事業主(業務委託契約)
身分は私人で、地域おこし協力隊の委嘱を自治体から受けて個人で活動します。
雇用関係がない協力隊として活動する場合は、自治体からは給与(報酬)ではなく「報償費」として支払われます。
自治体用語として報酬と報償費は厳密には違います。
| 報酬(協力隊|会計年度任用職員) | 報償費(協力隊|個人事業主) |
| 雇用関係がある人への労働の対価(給与) | 雇用関係のない契約上の役務(サービス)に対する対価 |
同じ地域おこし協力隊での活動で、行政から給料が支払われることに違いは無いですが、行政職員側からすると予算の取り方が違ってきます。
個人事業主(業務委託契約)型での協力隊活動は、原則として時間や場所的拘束を受けない形となっています。
全てが自由という募集内容と、あるていど行政と事前の相談で融通を効かせてくれるものもあると思います。
協力隊卒業後の地域での生活や仕事のビジョンが明確なら、個人事業主で協力隊活動をしたほうが定住や起業準備に充てる時間は取りやすいと思います。
→地域で起業しやすい協力隊の募集条件はこちら
→起業準備は着任前の人生設計が大切という話はこちら
服務
公務員は服務の規定といって地方公務員法という法律に職務で守るらなければならないルールが定められています。
服務に係る規定
① 服務の宣誓
②法令等及び上司の職務上の命令に従う義務
③信用失墜行為の禁止
④秘密を守る義務
⑤職務に専念する義務
⑥政治的行為の制限
⑦争議行為等の禁止
⑧営利企業への従事等の制
参考:地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第4版)令和2年8月
参考に載せているものは総務省の資料で地域おこし協力隊に関わるものを抜粋した項目になります。
もっと詳しく公務員の服務を知りたい場合は地方公務員法を調べてみてください。
ではこの服務に関する規定を守るかどうかは、自治体との雇用関係のありなし、つまり身分が公務員か私人かによって変わります。
| 協力隊|会計年度任用職員 | 協力隊|個人事業主 |
| 服務あり(宣誓書をかく) | 服務なし(宣誓書なし) |
会計年度任用職員は身分上公務員になるので服務の規定が適用になり、個人事業型は服務の規定なしとなります。
宣誓書は、服務の規定を守ります!という誓約書のようなものです。
公務員の身分として働く人は必ず書いて、自治体に提出しています!
難しく聞こえるかもしれませんが、名前と日付を書いてサクッと提出できるものです。
しかし、個人事業主であっても地域おこし協力隊として自治体への関わりを持つことには変わりないので、服務の参考項目にあるような③信用失墜行為の禁止、④秘密を守る義務をはじめ服務のありなしに関係なく協力隊として良識ある行動が求められます。
個人事業主の地域おこし協力隊として活動できる根拠は、自治体から委嘱状の交付を受けて出来るものです。
個人事業主の協力隊だから公務員じゃない、公務員の服務は関係ないということにはなりません。
委嘱状は、自治体から協力隊活動を任された「任用根拠」
会計年度任用職員でも個人事業主でも委嘱状をもらって初めて地域おこし協力隊として着任になります!
委嘱って?
自治体は誰かに何かの役をお願いするときに「委嘱状(いしょくじょう)」を交付します
B5サイズくらいの小さな賞状のようなものです。
例)
●●事業の監査委員として委嘱
まちづくり条例の市民検討委員として委嘱
自治体から委嘱された仕事は、有償(報酬)または無償(ボランティア)があります
ほとんどの地域おこし協力隊が真面目に、地域のために活動しているなかで、ほんの一握りの隊員が逮捕されるような事案が発生しています。
ここで逮捕案件については触れませんが、気になる方は検索して調べてみてください。
協力隊の活動人数が増え懸念ある事案があったこと、地方公務員法の一部改正で地域おこし協力隊のなかで会計年度任用職員として身分は公務員、個人事業主として身分は私人が混在する点、制度運用元である総務省としては受け入れ自治体に人選を留意して欲しい気持ちがあると思います(ブログ主主観です)。
総務省の気持ちの表れは【地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第4版)令和2年8月】という資料をご覧ください。地域おこし協力隊の自治体との雇用関係や身分について結構なボリュームで説明されています。
まとめ
地域おこし協力隊の自治体との雇用関係による身分の違いと、会計年度任用職員・個人事業主の条件の比較をご紹介しました。
・会計年度任用職員の身分は公務員
・個人事業主身分は私人
・服務の規定の適用は会計年度任用職員(公務員)だけですが、協力隊として委嘱を受ける限り個人事業主の協力隊活動であっても同等の意識をもって業務にあたる必要がある
ブログ主個人の見解も含まれるため、記事はそのことも含め参考としていただければと思います。

